CFOメッセージ

CFO profile

2024年度は、新中期経営計画の初年度となり、資本政策の策定など経営基盤の強化に尽力し、おかげさまで過去最高の売上高、営業利益を2期連続で更新し、幸先の良いスタートを切ることができました。 
 

環境認識 

世界経済は成長が鈍化し、不確実性が高まっている状況です。米国では新たな関税政策が始動し、世界経済への影響も懸念され、中国では各種経済指標が経済の減速を示しています。地政学リスクを含むさまざまなリスクが顕在化しており、グローバル展開をしている企業にとっては予断を許さない状況が続いております。サトーグループにおいてもさまざまなケースを想定しながら、柔軟に経営判断を行ってまいります。 
 

資本政策など財務戦略の考え方 

財務規律を維持しつつ、資金効率を向上させ、継続的にキャッシュを創出していかなければならないと考えております。引き続きKPIとしては、ROIC(投下資本利益率)やEBITDA(利払前・税引前・減価償却前利益)を重視します。資本政策の基本方針は、次の通りです。 
 

  1. 最適資本構成を追求する 
  2. 中長期的な企業価値向上により、安定的な累進配当(原則として減配を行わず、配当の維持もしくは増配を行う配当政策)をめざす 
  3. 自己株式取得は余剰資金が生じた場合に機動的に行う 
     

グローバルベースのグループファイナンスなどにより、資金効率を向上させつつ、資本市場からの直接調達や債権流動化も視野に入れ、資金調達方法の多様化を図ります。成長に資する有効な投資を行い、デットファイナンスを実施した結果として資本コストが下がるシナリオを想定しており、レバレッジの拡大自体をめざすものではないことは従来通りです。

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また、昨年策定した配当方針は、上場以来の対応を明文化したもので、株主還元に対する当社マネジメントの強い覚悟を表しています。中長期的な利益、キャッシュフローに基づき、配当水準の引き上げを判断してまいります。 
 

さらに、自己株式取得も株主還元の一環と捉え、実施の際は、原則として速やかに消却を行うものとします。なお、現状のWACC(加重平均資本コスト)は7%と認識しておりますが、実務上は通貨別に設定し、投資の際のハードルレートとしても活用しています。 
 

中期経営計画の進捗状況

新中期経営計画初年度の2024年度のROICは9.3%となり、対前期比で0.8%ポイント改善し、EBITDAも17,884百万円と前期比で15.7%の伸びとなりました。好調な初年度の業績を受け、投資フェーズを当初予定の2026年度から若干前倒しにすることを見込んでいます。 
 

2025年度は上述の投資の影響もあり、ROICの伸びは踊り場を迎えますが、EBITDAは堅調に推移する見通しです。新たに調達購買プロジェクトを発足させ、ガバナンスの強化と生産性の向上を図ってまいります。 
 

投資家はじめステークホルダーへのメッセージ

さまざまな社会課題に対して、自動認識技術を持つ当社の果たすべき役割はますます重要となっており、新中期経営計画で標榜する「Perfect and Unique Tagging」の実現は、サステナブルな社会に大きく貢献するものと考えております。当社技術のみならず、パートナーの技術も組み合わせることで、さらなる飛躍を図りたいと存じます。 

今後ともご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。

株式会社サトー 上席執行役員 最高財務責任者(CFO)
益子 統

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